専門課程の実習・実験
単位などの取りこぼしがなければ、一般教養課程は2年生までで終了し、3年生からは松戸の校舎での専門課程のみとなります。4年生からは1年かけて卒業論文をまとめなければならないので、3年生の終わりまでに卒業研究を行うための研究室を決定しなければなりません。2、3年次の専門課程では、環緑に所属するそれぞれの研究室が持ち回りで、あるいは選択科目として実習や実験を行っており、自分たちの研究室ではどのようなことを研究しているのかについて、学部生は実習や実験を通じて触れることができました。
環境緑地学科は、植栽や緑地保全のような造園系の研究室と、害虫や植物病原菌を扱う生物系の研究室に大きく2つの方向に分かれていました。私は、砂漠の緑化について勉強したいと思って環境緑地学科に入学したものの、入学前に抱いていた砂漠緑化のイメージと、都市緑化や造園のイメージをどうしても整合させることができず、また2年生の時に課題で読んだ本の影響から、集団遺伝学や分子進化に興味を持ち始めていたので、このころには、砂漠の緑化に対する未練はなかったと思います。砂漠の緑化について勉強したいという希望を持ちながら、庭木を植えたり、剪定したりすることは、私にはちょっと想像することができませんでした。なので、3年生の時点では、生物系の環境生物学研究室と植物病学研究室の2つのうち、どちらの研究室にするかが、私にとっての問題でした。
環境生物学実験では、担当した先生たちも私たち学生のやる気をとても引き出してくれるような、やりがいのある実験を行ってくれたと思います。テーマを与えられて、それにまつわる先輩方のレポートを参考に、あとは自分たちで考えてやるようにということで、私たちも夜遅くまで実験に取り組んだものでした。夜みんなと学校の近くのラーメン屋で晩御飯を食べたりする中で、実験の進め方について時には言い争うこともありましたが、学部の3年生ながら熱く実験に取り組んだものでした。植物病学実験では、毎週のように、いろいろな病原菌に感染した植物のサンプルから、罹患部の切片を切り出し、顕微鏡の下で観察しながら、病原菌のスケッチをしていました。どちらもとても面白かったのですが、実験のやりがいや満足度といったところで、卒業研究の研究室は環境生物学研究室にしようかな、と思っていたように思います。