私の研究に対する批判に対して(2)メールの応酬

メールの応酬

 まだその時にやり取りしたメールが保存されています。それによれば、私がその論文の著者に最初のメールを送ったのは、20161129日となっていました。私が行った研究に対して、私の知らない人が、私の知らないところで批判し、それを論文の中で発表していたわけですから、他の研究者はどのように反応するものなのか、私の知るところではありませんが、しかし私の場合は、この論文の著者に対して、とても失礼というか、フェアーではないと正直思いました。なので、私は一応礼儀として、相手にこの論文のPDFを送ってもらうように要請して、そのうえで批判に対して反論していこうと思いました。まあ、戦いを始める前に、相手に対して一応自分の名前を名乗るのは、相手に対する礼儀だと思いましたし、武士道や騎士道のように、少し古風かもしれないのですが、一応手順を踏みつつも、その手順を踏んだという証拠を残しておくことは、自分の身を守る鉄則だと思ったので、そのようにしました。その時に私が相手に送ったメールを以下に掲げておきたいと思います。彼らの批判に対して私がどのように応答してきたかを述べることがここでの目的なので、まあ、私の研究を含む多くの人たちの研究を批判する論文を相手は発表しているわけですから意味はあまりないのかもしれませんが、個人情報の保護の観点から、一応必要と思われるところには修正を加えておきました。

 

Dear Dr. Lawo:

 

I am Takahiro Miyo, and I recently found your paper concerning intrinsic rates of increase. I would appreciate it very much if you could send me a PDF of your paper "Misconceptions about the comparison of intrinsic rates of natural increase" published in the Journal of Applied Entomology (2011), because this journal is not available in the libraries around me. Thank you very much for your kindness.

 

Sincerely yours,

Takahiro Miyo 

 

 幸運にも、上記のメールに対してすぐに返事をくれて、しかもPDFまで添付してくれていました。もうすでにその論文には目を通していたので、返事のメールをもらってすぐに、私の研究に対する批判への反論を、まあ、かなり大まかにではありましたが、比較的長文のメールにまとめて送りました。しかしその後、半年くらい音沙汰がありませんでした。まあ、相手にしてみれば、面倒な奴にからまれたなあと思ったのかもしれませんが、やはりこういうときには、できるだけ速やかに対応するのは鉄則だろうと思います。なぜならば、こちらもあの手この手を考えて相手と議論してやろうとしているわけですから、彼らを議論の場に引きずり出そうとして、いろいろな手立てを考えることになってしまうので、かえって話がこじれてしまうためです。こちらとしては、批判されている以上、もう失うものは何もないつもりでしたし、実際何もなかったので、まあ、やれるとこまでやってやろうと思っていました。実際、相手からの返事がなかったので、その論文が発表されていた雑誌の編集者を動かそうとしました。その論文が出された昆虫学系の雑誌の編集長にメールを送り、5年前に発表された論文の中で、私の研究が批判されていたことについて、反論レターを出したいが、そのようなことは可能であるか問い合わせたことがあります。発表されてからすでに5年も経過してしまった論文に対する反論レターも、あるいは可能だったのかもしれないのですが、まあ、雑誌の編集者としては、ただの反論レターだけでなく、批判者の主張も一緒でないと受け付けられないということで、まあ突っ撥ねられてしまいました。半年以上相手からは音沙汰がなく、当の批判者が捕まらないと訴えたところ、では反論レターを出せる可能性はまったくないと断言されてしまうことになりました。とても悔しかったのですが、その雑誌の編集長に対して、それ以上どうすることもできなかったので、まあ、他の手立てを考えていくことになるわけです。生態学系の雑誌に、よその雑誌に掲載された論文の反論レターを提出しようとして、その雑誌の編集長に相談したこともあります。こうやって、お互いにどんどんと引くに引けない状況が作られていくことになるわけです。まあ、彼らの論文の中で、結構辛辣に批判されていたので、恐らくなあなあでは済まなかったとは思いますが、すぐに返事をくれなかったので、かえってややこしいことになってしまったように思います。